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生態と分類

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〜生態〜

河川の中下流域、砂浜や磯などの沿岸部に生息していた。
肉食性で魚類、テナガエビ、カニなどを食べていた。1頭の行動域は十数kmにもおよび、この中に「泊まり場」と呼ばれる生活の拠点を3~4か所もっていた。

〜分類〜

ニホンカワウソは、ユーラシアカワウソ Lutra lutra の一亜種として分類されている。日本本土亜種 Lutra lutra nippon と北海道亜種 Lutra lutra whileleyi に分ける考え方が有力である。環境省レッドリストでは、その分類で記載されている。Lutra nipponという独立した種として取り扱う考えもあるが、生息が確認されていないだけに、分類に関する再評価は進んでいないのが現状である。


人との関わり

かつては北海道から九州まで、日本中に広く生息していた。人間にとって身近な存在であり、河童伝説の原型になったと考えられているほか、カワウソそのものも伝承に登場する。また、アイヌ語では「エサマン」と呼ばれ、アイヌの伝承にもしばしば登場している。

ニホンカワウソの毛皮は保温力に優れているため、この毛皮を求めて大正から昭和初期にかけて乱獲が進み、生息数が激減した。このため、1928年に捕獲禁止となっている。第二次世界大戦後、香川県から愛媛県にかけての沿岸部、および高知県南西部の沿岸部にわずかに生息域を残すのみとなったが、農薬や排水による水質悪化、高度経済成長期における周辺地域の開発、河川の護岸工事等により、生息数の減少に更なる拍車がかかった。さらに、漁具による溺死や生簀の食害を防ぐための駆除も、大きな打撃となったと見られる(最後の個体群は当初漁師だけが知っていた個体群で、細々と密猟されていた)。

nippon005.jpg最後の捕獲例は1974年7月25日に学術目的で高知女子大学の研究チームが高知県須崎市にある新荘川でメスの成獣を生け捕りにしたもので、その後は捕獲されていない。最後の目撃例も同じくこの新荘川におけるもので、それ以後生息の確認は得られていない。1993年には同じ新荘川の支流でフンと食べ残しの痕跡の報告例があるが、他の動物によるものである可能性もある。現在では既に絶滅した可能性が高いと考えられている。オコジョは35以上の亜種に分類される。一般に哺乳類は寒い地方ほど大型化する傾向があり、ベルクマンの法則として知られているが、オコジョでは北方に生息するものほど小型化する傾向がある。このため、ロシアなど北方に分布するオコジョは、今後別種として分類される可能性もある。代表的な亜種を以下に記す。
ホンドオコジョ M. e. nippon Cabrera, 1913
青森県から本州中部にかけて生息する。尾の先の黒い部分が尾長の1/3程度と小さいことが特徴である。
エゾオコジョ M. e. orientalis Ognev, 1928
ユーラシア大陸に生息する。日本では北海道に生息する。ホンドオコジョに比べ、一回り大きい。Mustela erminea kaneii のシノニムとする説もある。